Ear Infections

中耳炎

手術

鼓膜チューブ挿入術とアデノイド切除術

お子さんの中耳に滲出液がたまったり、感染したりしないようにするために、医師が耳に鼓膜チューブを挿入したり、アデノイドの切除(アデノイド切除術)を行うことがあります。

鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)挿入術やアデノイド切除術は、耳内の滲出液の貯留と感染症を防ぐ上で役立ちます。どちらの方法を用いるかは、お子さんの状態と中耳炎の原因によって決まります。

どのような治療なのか?

お子さんが中耳炎にかかっていて、初期治療後にも耳に滲出液がみられる場合や、お子さんが過去1年間に何度か中耳炎にかかっている場合、医師は鼓膜チューブの使用を勧めることがあります。

お子さんのアデノイドが肥大していて中耳炎の原因になっている場合、医師はアデノイド切除術を行ってアデノイドを除去することを提案することがあります。

効果とリスク

鼓膜チューブ挿入術やアデノイド切除術は、中耳炎の再発を減らすのに役立ちます。

Q&A

鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)を耳に入れることは、単純で一般的な処置です。アデノイド切除術は、通常は鉗子を使用して切除を行いますが、近年では「マイクロデブリッダー」と呼ばれる新しい機器を用いて切除するケースもあります。更に不明な点がある場合は、必ず主治医に尋ねるようにしてください。

 

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鼓膜チューブ挿入術

鼓膜チューブとは

鼓膜の奥に貯留する滲出液は、細菌と中耳炎の温床となります。鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)は、鼓膜に留置するとても小さなチューブです。鼓膜チューブは鼓膜の奥に貯留する滲出液の排出を促し、中耳炎の予防に役立ちます。

鼓膜チューブ挿入術は、比較的安全で簡単な手術です。鼓膜をわずかに切開して片耳または両耳に鼓膜チューブを入れます。鼓膜チューブによって痛みや難聴が起こることはありません。

お子さんの場合は通常、鼓膜チューブ挿入術は全身麻酔をかけて行われます。成人の場合は、外来診療で行われることもあります。

Vent tubes for the ear are generally only a few millimetres wide.

拡大 - 通常の鼓膜チューブの幅はわずか数 mmです。 

A vent tube in the eardrum allows fluid to drain and helps prevent infection.

拡大 - 鼓膜に入れたチューブは、滲出液の排出を促して中耳炎の再発を防ぎます。


鼓膜チューブ挿入術の効果とリスク

鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)挿入術の効果とリスクは、それぞれのお子さんによって異なります。

効果

効果には次のようなものがあります。

  • 今後の中耳炎の再発リスクを低下させます。
  • 聴覚に問題があったお子さんの聴力が回復することがあります。
  • お子さんの耳管が十分に発達して、より効果的に機能するようになるまで補助的な役割を果たします。お子さんが成長すると、耳管は長く太くなり、耳からの排液がうまく行われるようになります。
  • この処置は一般的なものです。

リスク

リスクには次のようなものがあります。

  • 鼓膜チューブを入れても中耳炎にかかり続けるお子さんもいます。
  • チューブが外れることがあります。通常、鼓膜チューブは約1年後に出てきます。これより早く出てきた場合は、チューブを挿入しなおすことがあります。
  • 鼓膜チューブが自然に出てこない場合は、主治医に取ってもらう必要があります。
  • 鼓膜に小さな傷跡が残り、ある程度の難聴の原因となる可能性があります。
  • 鼓膜チューブが取れた後に鼓膜に小さな穴が残り、修復が必要になることがあります。

Q&A―鼓膜チューブ挿入術

なぜ鼓膜チューブが必要なのですか?

お子さんの耳管が、中耳からのどへと滲出液をうまく排出できないときがあります。滲出液が鼓膜の奥でたまると、細菌が増殖することがあります。これが、中耳炎の始まりです。中耳炎が治った後にも、滲出液がそのまま鼓膜の奥に留まることがよくあります。

滲出液が排出されるようして中耳炎の再発を防ぐために、きわめて小さな鼓膜チューブ(ベンチレーションチューブ)を鼓膜に入れます。

耳管とは何ですか?

耳管とは、中耳とのどの後部をつないでいる管で、2つの働きがあります。第1に、中耳内の気圧を耳の外部の気圧と等しく保ちます。この働きによって、耳がよりよく聞こえます。第2に、滲出液が中耳からのどへと流出するのを助けます。

小さなお子さんでは、耳管は小さくて細く水平に近くなっています。このため、細菌が喉から耳へと移動しやすく、耳管がつまりやすい傾向にあります。ほとんどのお子さんは、6歳ごろには耳管が発達して成人に近くなり、中耳炎にかかりにくくなります。

Normal ear

拡大 - 正常な耳

Infected middle ear

拡大 - 中耳炎を起こした耳

鼓膜チューブの利点は何ですか?

鼓膜チューブは滲出液を中耳から排出し、中耳炎が再発する可能性を低くします。

 

どんなときに鼓膜チューブを使いますか?

通常、お子さんに次の状態がいくつかみられる場合に、鼓膜チューブの使用が勧められます。

  • 4ヵ月以上続けて中耳に滲出液がたまっている。
  • 両耳に滲出液がたまっている。
  • 反復性の中耳炎に対して、数ヵ月間の継続的な抗生物質を含む外来治療を行っても効果がない。

子どもが再び中耳炎にかかるのを防ぐにはどうすればよいですか?

通常、再発する耳の滲出液の貯留と中耳炎は、耳管がつまることが原因で起こります。その他にも、お子さんの状態を悪化させる要因がいくつかあります。

  • タバコの副流煙
  • 寝転がって飲み物を飲むと、液体が中耳腔内に流れ込んでしまう可能性があります
  • 花粉症などの鼻アレルギー、喘息、湿疹、食物アレルギーが、中耳における頻繁な滲出液の貯留の原因となる可能性があります
  • 肥大や腫脹を起こしたアデノイド

アデノイド切除術


参考文献(英語のみ)

1

April M, Ward R, Bent J. Power-Assisted Adenoidectomy in the Treatment of Chronic Otitis Media with Effusion. Poster Presentation at American Society of Pediatric Otolaryngology, May 4, 2003, Nashville, TN.

 


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