ONE PATHOS Interview Vol.3

埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)について
―地方自治体との協力体制―

埼玉医科大学国際医療センター 脳神経外科教授 神山 信也 先生

埼玉県保健医療部医療整備課 主幹
(30年4月以降 埼玉県商業・サービス産業支援課 主幹)
高野 雄規

記事詳細

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Ⅰ.急性期脳梗塞治療ネットワーク構築の背景と概要

1.埼玉県における急性期脳梗塞治療の現状

 急性期脳梗塞に対しては、組織プラスミノーゲンアクチベーター(Tissue Plasminogen Activator;t-PA)静注療法が標準的治療として確立していますが、t-PA静注療法は発症から4.5時間以内に投与する必要があるなど制約があります。そこで、t-PA静注療法が適応外、又はt-PA静注療法のみでは十分な効果が期待できない場合の新しい治療法として、最近では血管内治療が注目されるようになっています。


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Ⅱ.行政の力を活用した急性期脳梗塞治療ネットワークの構築

1.偶然の出会いから生まれた行政との連携

 地域の中で急性期脳梗塞治療が普及していない現状を目の当たりにしていた2016年当時は、地域内で医療連携ネットワークの設立を目的とした研究会の立ち上げを計画し、これを実行しようとしていました。そんな11月のある日、たまたま院内で救急救命士が「いま県の医療行政の担当者が病院見学のため来院しているのですが、お会いになりますか」と尋ねてきました。


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Ⅲ.埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)構築までの経緯

1.行政からの5つのステップによる準備

 SSNの立ち上げには、庁内では私を含めて1.5人のマンパワーで担当しました。まず、私たちには医療の専門知識がないため、神山先生をはじめとした専門家の先生方からいろいろなアドバイスをいただきながら準備を進めました。


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Ⅳ.埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)の運用開始

1.地区別の意見交換会による周知と運用基準の策定

 SSN運用基準案の策定に伴い、平成29年9月30日にはネットワークの総決起集会という位置付けで全体の運営会議を行い、45の医療機関及び全27消防本部の関係者に出席していただきました。夜には懇親会も行い、活発な意見交換や情報共有ができたと思います。


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Ⅴ.埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)に関する今後の課題

1.脳血管内治療医の早期育成とDOOR TO PUNCTURE時間の短縮

 SSNでは、2021年3月までの経過措置として、認定医の資格を有する医師が在籍しなくても、急性期脳梗塞に対する一定の治療実績があれば基幹病院として認めるというルールになっています。具体的には、直近の3年間で10例以上血栓回収療法の実績があることとしています。