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宿野部武志さん

株式会社ペイシェントフッド代表取締役・社会福祉士

腎臓病・透析にかかわるすべての人を幸せにしたい

運動も大学進学も、あきらめなかった

 3 歳から慢性腎炎を患い、18 歳から人工透析を続けています。物心がついたときには、入退院を繰り返す生活でした。医師から運動を禁止され、小学校での体育の授業はいつも見学。でも、病気のせいで好きな運動を我慢するのは嫌だったため、休み時間になればサッカーのゴールキーパーを買って出る、やんちゃな子どもでした。

人工透析を始めたのは18 歳の時です。体力的にも時間的にも、受験生活との両立は負担が大きいため、周りからは大学進学をあきらめるように言われました。でも「やってみなければわからない!」と挑戦。予備校に通いながら透析も続けて、1 浪の末、合格できました。憧れだったキャンパスライフは、本当に楽しかったです。透析生活と学生生活の両立ができたことも大きな自信になりました。

 透析患者だから見つけることができた、新しい夢に向かって

 大学卒業後は、電機メーカーに就職。職場の理解もあって、透析に通いながら仕事を続け、会社の飲み会にも積極的に参加。充実した毎日でした。ある時、業務のなかで、病気で休職中の社員の情報に触れる機会があり、自分だからできる社会的役割があるのでは…という思いが強まりました。悩んだ結果、医療ソーシャルワーカーを目指すことを決意。現在は、自分で会社を立ち上げ、自身また他の腎臓病・透析患者の経験を、医療の発展につなげるビジネスを行っています。

私自身、長い透析生活で実感しているのは、正確で適切な情報の重要性。メディアでは透析患者の生活がネガティブに取り上げられることもありますが、今は腎臓医療も透析技術も進歩していますので、患者自身が常に新しい情報に触れるアンテナを持つことが大切です。私自身が経験してきたからこそ伝えられる“透析患者のリアルな思い”、“透析を続けながらやりたいことを実現するコツ”を、多くの方と共有することで、人生をより前向きに楽しむ患者が増えてくれれば大変うれしいです。さらには、医療従事者や企業の方々にも患者目線の情報を活用していただき、腎臓病・透析に関わるすべての人を幸せにしたい、今はそんな思いで取り組んでいます。