2023年7月24日
日本メドトロニック株式会社

日本メドトロニック
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)用デバイス
「Evolut™ FX モデル」の販売を開始

日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、重度の大動脈弁狭窄症の患者さんを対象とした経カテーテル的大動脈弁置換術に用いられる「Evolut™ FX(エボリュート エフエックス)モデル」(以下、Evolut FX)について、4月1日より販売を開始いたしました。

Evolut™ PRO+ システム

(製品名:Evolut FX モデル/承認番号:30200BZX00272000)
 

大動脈弁狭窄症は、心臓の中にある弁のうち、酸素を含んだ血液を心臓から全身へと送り出す際の出口にあたる大動脈弁が、加齢や動脈硬化により硬くなって十分に開かず、血液の流れが妨げられてしまう病気です。軽症のうちは症状を自覚しない患者さんがほとんどですが、進行して胸の痛みや息切れといった自覚症状が現れると突然死のリスクが高まるなど、予後が悪いことが知られています。

経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)は、胸を開いて外科的に弁を交換するのではなく、心臓が動いている状態のまま、大腿動脈等を経由してカテーテル(細い管)を心臓に通し、人工弁(生体弁)を患者さんの心臓に植え込む治療法です。日本では2013年に保険適用され、これまで全国の約200施設で手術が行われており、現在では年間1万人以上の患者さんが治療を受けています。

Evolut FXは、第5世代の自己拡張型経カテーテル的大動脈弁置換術用デバイスです。Evolutシリーズの特長である、血行動態(血流)の改善と耐久性を目的としたデザインを維持しつつ、医師の使いやすさを高める工夫により、手術の精度の向上が期待できます。
 

【Evolut FXの特長】

優れた血行動態を踏襲:
大規模無作為化臨床試験を通じ、外科的大動脈弁置換術(SAVR)と比較して優れた血行動態性能を示した先行品(Core valveおよびEvolut R)と同じスープラアニュラーデザイン*を採用しています。

*スープラアニュラーデザイン: 患者さん自身の大動脈弁の位置よりも高い位置(スープラアニュラーポジション)で弁が機能することで、より広い弁口面積を確保することができ、スムーズな血流の再現と血行動態の改善が期待される

手技の正確性:
フレームに組み込まれたX線不透過性ゴールドマーカを備えており、生体弁を留置する際の深さおよび弁尖の位置をX線透視下で容易に確認することができるようになりました。

デリバリーシステムの改良:
よりスムーズな挿入を実現できるよう、カテーテル先端のデザインを再設計しました。再現性の高い生体弁の留置が期待でき、360度方向の自由な動きを可能にする、より柔軟なデリバリーシステムです。

多様な患者さんに対応するバルブサイズ:
先行品の適応を継承し、現在市販されているデリバリープロファイルのための4つのバルブサイズがあります。

 

大阪警察病院 院長 澤 芳樹 医師は、「大動脈狭窄症の治療である経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)は、Evolutシリーズが自己拡張型生体弁のスープラアニュラーデザイン、再収納による再留置可能、弁周囲逆流をより小さく抑える高度なバルブシーリングなどでTAVR治療に新しい選択肢を提供し、また治療成績の向上に貢献してきました。そして今回の新製品であるEvolut FXは、このプラットフォームをさらに洗練させ、カテーテルのフレキシビリティと生体弁の留置時の視認性を強化し、自己拡張型の生体弁が更により使いやすく適切な位置に留置が可能となる様に改良されたことで、生体弁留置後の冠動脈治療が容易になることが期待できます。」と述べています。

湘南鎌倉総合病院 総長・心臓センター長 齋藤 滋 医師は、「血管内から大動脈弁を治療できる低侵襲治療としてTAVRが日本で始まって10年を迎えます。TAVR治療の普及とデバイスの進化は日本の大動脈弁狭窄症治療に寄与してきました。TAVRに使用される生体弁のエビデンスも増えてきている折、良好な血行動態への改善が期待できるスープラアニュラ―デザインなどの特徴を継承し、さらに術者の技術面をサポートする機能を備えたEvolut FXの登場は、今後更に多くの患者さんに対するTAVR治療に寄与することでしょう。」と述べています。

メドトロニックは、第一線の臨床医、研究者や科学者と連携し、心血管疾患及び不整脈等のインターベンションや外科手術における革新的技術を幅広く提供しています。また、世界各地の患者さんと医療従事者に臨床的、経済的価値をお届けできる製品とサービスを提供すべく、努力を続けてまいります。

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