2024年5月24日
コヴィディエン ジャパン株式会社
株式会社ホギメディカル

コヴィディエンジャパンとホギメディカルが業務委託契約を締結
「シュアファインド®」の販売協力を開始

-早期肺がんを対象とした肺の精密縮小手術を包括的にサポートし、患者さんの生命予後改善につながる治療を提供-
 

日本におけるメドトロニックの3法人のひとつであるコヴィディエンジャパン株式会社(本社:東京都港区/以下、コヴィディエン)と株式会社ホギメディカル(本社:東京都港区/以下、ホギメディカル)は、ホギメディカルが製造販売承認を取得し販売している肺がんを対象としたマーキング用医療機器「シュアファインド®」の販売協力に関して5月1日に業務委託契約を締結いたしました。販売協力活動は、6月より順次開始いたします。

画像診断装置でのみ病変が確認できる初期段階の肺がんの「精密な縮小手術」へのニーズに対し、病変のマーキングに用いるホギメディカルのシュアファインド®と、病変切除に用いるコヴィディエンの外科用手術ステープラー「Endo GIA™️(エンド GIA™)」を組み合わせた、包括的なソリューションの提供を目指してまいります。

PulseSelect PFA Loopカテーテル

(販売名:シュアファインド/承認番号:23000BZX00393000)

 

肺がんは国内のみならず世界的に増加傾向にあることに加え、がんの性質としても年齢とともに発がんリスクが上昇するため、高齢者人口が増加する日本では今後20年間以上にわたりさらに患者数が増加していくことが予想されています。

進行した状態で発見された肺がんは、病変ができた肺を袋(葉:よう)単位で大きく切除する術式が主流ですが、術後、肺を大きく失ったことに起因する呼吸機能低下の課題がありました。一方で、近年CTや画像診断機器の発展に伴い、悪性度が低い初期の段階である微小浸潤がんを含む小型肺がんが多く発見されていることから、早期発見に伴い、リンパ節転移がない肺がんに対しては、切除範囲を小さくし健常な肺を温存する縮小手術が年々増加しています。

縮小手術では主にEndo GIA™️などの外科用手術ステープラーを用いて肺を切除する方法がとられていますが、切除範囲を小さくすることで肺の機能を温存できるため、早期の社会復帰など、治療後の患者さんの生活の質の維持が期待されます。

しかしながら、胃がんや大腸がんなど内視鏡で直接目視確認ができる消化管の内面に生じるがんと異なり、肺がんは手術中に直接観察することができず、また、肺は診断時の画像(息を吸って膨らんだ状態)と手術時(しぼんだ状態)で大きく形が変わるため、手術の際に病変の正確な部位を特定して切除することが困難です。一方で、切除範囲の小さい縮小手術であっても、がんの取り残しを防ぐために、病変から十分な切除マージン(距離)を確保して切除することが非常に重要になります。

この問題を解決するために、シュアファインド®を用いて、手術前に肺がん病変の中、あるいは病変の近くにICタグを埋め込むマーキング処置を行います。体内留置形式の医療機器としてRFID技術を応用したシュアファインド®️を用いると、RFIDの通信技術によって手術中に病変の位置をより的確にリアルタイムで確認することができます。Endo GIA™️を用いた病変切除に組み合わせることで「精密な縮小手術」のニーズに対する包括的なソリューションを提供することが可能になると考えられます。

今回、コヴィディエンジャパンとホギメディカルが業務委託契約を締結し、シュアファインド®️とEndo GIA™を組み合わせた包括的なソリューションの販売提供体制を整えることで、肺の「精密な縮小手術」の浸透を目指し、患者さんの治療における負担を減らし、ひいては術後の生命予後の改善の一助を担うことを目指し貢献していきます。
 

■福岡大学 医学部外科学講座 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科 教授 佐藤 寿彦先生からのコメント

私たち呼吸器外科医は肺の精密縮小手術(PSR : Precise Sub-lobar Resection)を普及・発展させることにより、肺がんの治療成績を向上させ、肺がんによる死亡率を減少させることを目指しています。シュアファインド®️の技術はこのPSRに必要なものと考えており、小型肺がんに対してより有用な治療選択の一つになり得ると考えます。

■日本メドトロニック サージカル ヴァイスプレジデント 熊野恵造からのコメント

私たちは革新的なソリューションを通じ外科手術の発展とアウトカムの強化を共にリードするベストパートナーであり続ける、というビジョンを掲げております。超高齢社会を迎え今後もその患者数が増加すると言われている肺がんに対し、メドトロニックは、診断からスムーズに適切な治療につなげるよう多面的に取り組み、患者さんの生命予後を改善し、健康に暮らせる社会の実現を目指し貢献してまいります。

■ホギメディカル 代表取締役社長(CEO) 川久保秀樹からのコメント

高齢化社会が加速し、患者さんの身体への負担が少ない低侵襲治療や手術が進んでおります。
コヴィディエン社との販売協力を通じて、シュアファインド®をより多くの患者さんにお届けすることで、より質の高い医療の提供を実現し、患者さんの健やかな生命と健康に尽くしてまいります。

【シュアファインド®とは】

シュアファインド®は肺切除手術において、微小肺がんをより確実に切除することをサポートする目的で開発されたマーキング用医療機器で、2020年より発売しています。RFID技術を応用した極小のICタグを、気管支鏡チャンネルを経由して病変付近に留置し、手術中に専用の小型アンテナを用いて病変箇所を正確に同定して切除するというものです。

【マーキング用医療機器とは】

手術中に腫瘍を特定しにくい手術部位において切除範囲の目印をつける機器で、主に、肺がん、胃がん、大腸がんなどの手術に使用されます。

【RFID技術とは】

RFID(Radio Frequency Identification)とは、電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。

【Endo GIA™️とは】

Endo GIA™は1992年に世界で初めて発売された内視鏡専用の自動縫合器(外科用手術ステープラーの一種)です。主に外科手術において、切除、切離、及び吻合(腸管などが互いに連絡するように手術でつなぐこと)に使用されます。Endo GIA™は、内視鏡手術など低侵襲手術の普及と共に手縫いに置き換わる手法として、手術時間短縮に貢献する製品として進化を続けてきた歴史があります。肺手術においては、病変部の切除及び切離に使用されますが、組織を挟みハンドルを作動させることによりステープルと切断用のナイフが同時に作動し、縫合と切断を同時に行う仕組みとなっています。また、多様なカートリッジの種類に加え、縫合長のラインナップも30mm、45mm、60mmと豊富で、精密縮小手術において手術プランに沿った切離をサポートいたします。

販売名:エンド GIA/承認番号:22100BZX00167000
販売名:トライステープル2.0/承認番号:22900BZX00115000
販売名:Signia スモール ダイアメター リロード/承認番号:30200BZX00023000
販売名:トライステープル2.0 リンフォース リロード/承認番号:30300BZX00229000
販売名:エンド GIA ウルトラユニバーサルステープラー/認証番号:223AABZX00019000
販売名:Signiaステープリングシステム/認証番号:228AABZX00088Z00
販売名:Signiaマニュアルアダプタツール/届出番号:13B1X00069US023A

シュアファインドは、株式会社ホギメディカルの商標です。

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