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アルゴリズム変更コントローラの
臨床使用実績

2025年4月時点までのデータ

海外製造元は、ポンプの再始動を促すためにポンプの始動アルゴリズムを変更したソフトウェアを搭載したコントローラ(以下、「アルゴリズム変更コント ローラ」)を開発しました。新しいアルゴリズムは、コントローラのソフトウェアに搭載されており、ポンプ停止が発生した場合に、ポンプの再始動に有効である可能性があります。現時点で本アルゴリズムに対して実施された試験は非常に限定的です。標準コントローラでポンプを再始動できなかった場合、一部の患者様においては、代替の治療選択肢がない可能性があります。本アルゴリズムの性能、およびコントローラの他の機能への潜在的な影響についての知見は限られています。したがって、本アルゴリズムは、ポンプが再始動しない場合の救命手段に限り、使用を推奨します。
前述のように、アルゴリズム変更コントローラは、ポンプが停止し、標準コントローラでポンプを再始動できない場合にのみ使用するものとして、国内規制当局の薬事承認を受けております。本アルゴリズム変更コントローラの長期的な耐久性と機能性は評価されておりません。

成績

2025年4月30日時点で、アルゴリズム変更コントローラがポンプの再始動に使用された症例は38件ありました。そのうち30件でポンプの再始動に成功しています。30件の再始動成功症例の内訳は以下の通りです。

グループ 症例数(件)
サブグループ1 1
サブグループ2 2
サブグループ3 10

標準ポンプ

17

これら30件の成功症例において、アルゴリズム変更コントローラの使用が患者またはポンプに影響を及ぼしたとする有害事象の報告されていません。

使用症例

ポンプの再始動に成功しなかった8件の使用症例の内訳は以下の通りです。

グループ 症例(件)
サブグループ1 0
サブグループ2 1
サブグループ3 2

標準ポンプ

5

概要は以下の通りです。

  • 1例目の症例は、2022年7月にコントローラの交換が必要となった患者様に使用されました。患者様のポンプはサブグループではなく、ポンプ交換の対象ではありませんでした。アルゴリズム変更コントローラを使用した再始動の試みが実施されるまで、ポンプは18時間を超えて停止した状態でした。標準コントローラを使用した再始動の試みが5回失敗した後、医療従事者はアルゴリズム変更コントローラを使用しました。複数回の再始動を試みましたが、ポンプは再始動しませんでした。患者様はホスピスケアへ移行されました。

  • 2例目の症例は、自宅で予期しないポンプ停止とVAD停止アラームを経験した際に使用されました。患者様のポンプはサブグループではありませんでした。コントローラをバックアップ用コントローラに交換しましたが、再始動に失敗しました。患者様は病院に搬送され、アルゴリズム変更コントローラでの再始動が試みられましたが失敗し、ポンプは停止したままの状態となりました。なお、ポンプの停止時間は不明です。翌日、他社製品ポンプへの交換術が行われました。

  • 3例目の症例は、再始動の失敗率が高いとされるサブグループ3のポンプを使用していた患者様に関するものでした。患者様は自宅で、コントローラへの予期せぬ電源喪失により、優先度「高」のVAD停止アラームを経験しました。この電源喪失の原因は、現時点では特定されていません。患者様は病院に入院し、医療チームは患者様のバックアップ用の標準コントローラを使用してコントローラ交換を実施しました。しかし交換後も、予期せぬ電源喪失が継続し、ポンプは再始動しませんでした。その後、病院スタッフはアルゴリズム変更コントローラを使用して再度コントローラ交換を行いましたが、ポンプは再始動しませんでした。最終的に、患者様はHVADの使用を中止したと報告されています。患者様のその後の状態については報告されていません。

  • 4例目の症例は、再始動の失敗率が高いとされるサブグループ3のポンプを使用していた患者様に関するものでした。患者様は入院施設にて、優先度「高」のVAD停止アラームを経験しました。VADの停止は、コントローラの予期せぬ電源喪失によるものであり、その原因は現時点では特定されていません。患者様はバックアップ用の標準コントローラを使用してコントローラ交換を行いましたが、ポンプは再始動しませんでした。その後、患者様は基幹病院へ転院され、病院にてアルゴリズム変更コントローラを使用して再度コントローラ交換が行われましたが、ポンプは再始動しませんでした。さらに、別のアルゴリズム変更コントローラを使用して再度コントローラ交換が行われましたが、再びポンプの再始動には至りませんでした。この患者様は、ポンプ交換や心臓移植の適応ではありませんでした。最終的に、患者様は死亡されたと報告されています。

  • 5例目の症例は、標準ポンプを使用していた患者様に関するものでした。患者様は長期急性期ケア施設に入院中に、優先度「高」のVAD停止アラームを経験しました。VADの停止は、コントローラへの電源喪失によるものでした。報告によると、患者様が通常の電源交換中に、両方の電源を誤って同時に外してしまったことが原因とされています。ポンプは、患者様が使用中の標準コントローラでは再始動しなかったため、バックアップ用の標準コントローラに交換されました。しかし、バックアップ用コントローラでもポンプの再始動には至らず、患者様は病院の救急部門へ搬送されました。救急部門では、アルゴリズム変更コントローラを使用してコントローラ交換が行われましたが、ポンプは再始動しませんでした。その後、患者様はこの事象から3日後に死亡されたと報告されています。

  • 6例目の症例は、標準ポンプを使用していた患者様に関するものでした。患者様は自宅で、コントローラへの電源喪失により優先度「高」のVAD停止アラームを経験しました。報告によると、患者様が両方の電源を誤って外してしまったことが原因とされています。電源喪失後、患者様は使用中の標準コントローラを使用してポンプの再始動を試みましたが、再始動には至りませんでした。その後、バックアップ用の標準コントローラに交換しましたが、ポンプは再始動しませんでした。患者様は救急部門へ搬送され、救急チームはアルゴリズム変更コントローラを使用してコントローラ交換を行いましたが、ポンプは再始動しませんでした。救急チームは、それ以上の再始動試行を行わない判断をしました。初期報告によると、患者様は安定しており、ポンプは体内に留置されたままですが、再始動できなかったため停止した状態です。医療チームは、患者様のポンプの使用を中止する方針であると報告しています。

  • 7例目の症例は、再始動の失敗率が高いとされるサブグループ2のポンプを使用していた患者様に関するものでした。患者様は自宅で体調不良を訴え、意識を失いました。報告によると、患者様の配偶者が心肺蘇生を開始し、到着した救急隊も心肺蘇生を継続しました。心肺蘇生中に、VAD停止アラームが作動していたことが確認されました。標準のバックアップ用コントローラに交換されましたが、ポンプは再始動しませんでした。その後、患者様はクリニックに搬送され、アルゴリズム変更コントローラを使用して再度コントローラ交換が行われましたが、ポンプは再始動しませんでした。最終的に、患者様は死亡されたと報告されています。

  • 8例目の症例では、アルゴリズム変更コントローラを使用した再始動が不成功に終わりました。この患者様のポンプは、再始動が困難とされるサブグループには分類されていませんでした。患者様はVAD停止アラームが作動した状態で入院されました。VAD停止の原因は、ポンプ内の血栓症である可能性が示唆されました。医療チームは、抗凝固療法、血栓溶解療法、ヘパリン、ラシックス、ニトロプルシドナトリウム、ドブタミン、アドレナリンなどを用いて治療を行いました。ポンプ停止から約8時間後、医療チームはアルゴリズム変更コントローラを使用してポンプの再始動を試みましたが、ポンプは再始動しませんでした。最終的な報告では、患者様はポンプの使用を中止し、安定した状態であるとされています。

これらの結果が典型的あるいは代表的なものであるかは不明です。

販売名 / 医療機器承認番号
植込み型補助人工心臓システムHVAD / 23000BZX00373000

使用目的又は効果、警告・禁忌を含む使用上の注意等の情報につきましては製品の電子添文をご参照ください。