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ID&E Week 2023 - MWN

本音で語るID&E

女性活躍推進のポイントは今の常識を疑い、思い込みをなくすこと

メドトロニックは ID&E(インクルージョン、ダイバーシティ、エクイティ)への揺るぎない取り組みを進めています。それは機会に対する障壁をなくすために努力することです。そして、すべての従業員が自分の居場所を実感し、尊重され、自分らしさを大切にされる文化を促進することも意味しています。

2023年11月8~14日を「ID&E Week」とし、さまざまなイベントを集中的に実施しました。介護と仕事、LGBTQ、ジェンダーバイアスなど異なる9つのトピックを学び、「私に何ができるのか」を一人ひとりが考える機会となりました。

女性活躍を組織全員の自分事にする

ID&E(インクルージョン、ダイバーシティ、エクイティ)の中でも特にジェンダーダイバーシティについては、メドトロニックのほとんどの社員がその必要性を理解し、応援したいと考えているでしょう。しかし、自分の組織(特に外勤職)に女性社員や管理職が増えるとなると、「チームに育休取得者が重なったらどうすればいいのか」「女性管理職の比率を上げることは、男性社員への逆差別では?」など、思っていても口には出せない“本音”を抱えて悩む人も多いのではないでしょうか。

加えて、女性活躍が進まない理由の一つに「医療業界は特殊だから…」といった認識がある側面も否定はできません。しかしながら、特殊な事情を抱える業界は医療業界だけではありません。どの業界にとっても女性活躍は必然であり、不退転の覚悟で取り組む企業が結果を出し始めています。

女性活躍を自分の問題として認識し、意識や行動を変えていくには、その必然性について日本の置かれている現状を正しく理解する必要があります。今まで“常識”だと思っていた働き方や考え方が、実は“異常”なのかもしれないという気づきを与えて、女性活躍を本音で考える機会を提供したいとの考えから、このセッションが企画されました。

今の“常識”は未来の“非常識”?常識を疑う姿勢を大切に

人材マネジメントや雇用問題に詳しく、「雇用のカリスマ」の異名を持つ講師の海老原嗣生氏は「ここ5~10年で日本人の働き方は猛烈な勢いで変化している」と指摘します。「女性は家を守り、男性は“企業戦士”として企業に仕えた戦後から高度成長期時代の働き方や価値観は、もはや過去のものです」

親世代では“常識”だった男性中心の組織を前提とする労働環境や企業文化は、今では「働きながら子育てをすることへの不安要因」として捉えられています。

家族の在り方に対する“常識”も急激に変化しています。結婚・出産後も共働きが当たり前となった20~30代の男性社員は、親世代に比べて家事や育児にも積極的です。例えば、今は父親が子どもの学校行事に、有給を取って出席することはごく普通のことになっていますが、親世代の時代はそうではありませんでした。

ID&E Week 2023 MWN 講師:海老原嗣生氏 講師:海老原嗣生氏

「昭和の時代に常識だったことが、今では異常だと感じることがたくさんあります。つまり今、当たり前と思っていることが5年、10年先の未来には異常になっているかもしれません。今を疑い続けることの必要性を知ってほしい」と海老原氏はメッセージを送りました。

思い込みをなくし、今日からでも行動を

データに裏付けられた日本社会の変化を、わかりやすく解説した海老原氏の講演は、社員たちに多くの気づきを与えたようです。

ある社員は「5年、10年前は女性活躍を推進しないといけないという考え自体はあったものの、今ほどの本気度はなかったと思う。例えば、10年前は女性の営業マネジャーなど『ありえない』『とても無理』と考える人がほとんどだった。10年前と今では、社内も社会も様変わりしたと感じる」と話しました。

また、「海老原さんが昭和の時代の女性の生き方から今までの流れを紹介してくれたおかげで、今の常識を疑うこと、思い込みをなくしていく必要性に気づかされた」そうです。この社員が特に印象的だったと話すのが、海老原氏の次の問いかけでした。

「たった10年前のことでも、その状況が今では信じられず、異常にすら感じたのではないでしょうか。では5年後、10年後、今の状況を振り返って私たちは何と言っているでしょう?」

ID&E Week 2023 MWN 松尾さん

今は無理だと思っていることも、5年後には当たり前になっているかもしれない。「きっとなっていると思うし、それを当たり前にしていくためには、私たちが今変わらなくてはいけないと強く感じました」

ID&E Week 2023 MWN 前田さん

別の社員は「女性が活躍しやすい社会には、すぐには変わらないにしても、少しずつ変わっていることを周りの社員たちもポジティブに受け止めてほしい 。また、他業種の取り組みを知り、自分たちが思っている以上に『医療現場は特殊だから…』というバイアスが、自分の中にもあるかもしれない」とハッとした様子です。

今までのやり方を変えて、新しいことを実践していくには「社内も顧客も巻き込んでいかなくてはならない。女性活躍推進という社会の流れに乗り遅れたら、他の企業に先を越されて、優秀な人材が他業界へ流れていってしまうという危機感を強く感じた」と語りました。

その上で、「数年後に後悔しないように、今ここで舵を切る必要性がある」とも。女性マネジャーの登用や、女性社員比率の拡大などを進めると、まだ現場の受け入れ態勢が整っていないから…という意見がよく出るが、態勢が整うのを待っていては遅すぎる。やりながら考えて、少しずつ調整していくことが重要だと感じた」と表情を引き締めていました。

女性自身の意識改革も必要

今回の講演を受けて、「女性に営業職は難しい」「子どもができたら仕事を続けていくのは難しい」といった、今までの常識の枠の中での決めつけが、実は間違っているのかもしれないと、一人でも多くの人が感じ取ってくれたなら、このセッションは成功と言えます。

こうしたジェンダーによる「決めつけ」は、男性が女性に対して思うことだけをイメージしがちですが、女性側の思い込みもあります。

女性の社会進出が進む一方で、「子どもがいるから自分には無理」「私に管理職などできない」など、女性自身がさまざまな思い込みに囚われ、結果的に自分の活躍を制限している場合があります。女性活躍の推進には、こうした女性自身の意識改革も必要不可欠です。

今の時代、子どもを持っても、パートナーとの家事・育児の分担、保育園の延長やベビーシッターの活用など、キャリアを継続する方法は想像以上に多くあります。自身が本当に望むキャリアを築いていくために、気づかぬうちに自分で作ってしまっている障壁はないか、改めて考えてみることも大切です。

ID&E Week 2023 MWN 鳥居さん

人は誰しも変わることに抵抗があります。しかし、自ら問題意識を持ち、解決したいと思ったことには、積極的に取り組む姿勢を見せます。女性活躍の推進は決して他人事ではなく、誰にとっても関係する課題であることは、もはや自明の理でしょう。こうした社会の変化に合わせて、企業も社員もそれぞれが変わっていく必要があるのです。

この講演で常識の捉え方が変わり、無意識の思い込みから解放されて、何らかの行動を自ら起こすきっかけとなることを期待しています。

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