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こちらは、国内の医療従事者の方を対象に製品等の情報を提供することを目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。
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現在では、女性の9人に1人が乳がんに罹患するといわれています。
一方で、女性が罹患するがんの中で、乳がんによる死亡数は5位となっており、早期に発見し適切な治療を受ければ、比較的治りやすいがんであるといえます。
乳がんの治療は、他の臓器などに転移をしていることが明らかな場合を除き、手術によってがんを切除することが一般的です。がんの状態によっては、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせて治療しますが、主な手術としては、乳房部分切除術や、乳房全切除術が挙げられます。
乳房は、乳腺組織と脂肪組織で構成されています。
乳腺組織は乳頭から放射状に広がっており、15~20の乳腺組織に分かれています。それぞれの乳腺組織は、乳管と呼ばれる乳汁を運ぶ管と、乳汁を作り出す小葉で構成されています。
また、乳房の周辺にはリンパ節があり、一番乳房に近いわきの下のリンパ節を腋窩(えきか)リンパ節と呼びます。
乳がんの多くは乳管に発生し、時間が経過すると次第に周囲に広がっていきます。
がん細胞が周囲に広がることを「浸潤」といい、この浸潤の有無によって、乳がんは大きく「非浸潤がん」と「浸潤がん」に分けられます。
非浸潤がんは、がん細胞が乳管や小葉の中にとどまる乳がんで、適切な治療を行えば転移や再発のリスクは比較的少ないといわれています。一方で、浸潤がんは、乳管や小葉の周囲に広がった乳がんで、他の臓器への転移や再発をするリスクがあります。
乳がんが発生する原因はまだ解明されていませんが、発症のリスク要因については少しずつ明らかになっています。
主なリスク要因:
また、乳がんのおよそ70%が、エストロゲン受容体陽性乳がんと言われています。
女性ホルモンである「エストロゲン」が、「エストロゲン受容体」というタンパク質と結びつくことで増殖する乳がんのことをエストロゲン受容体陽性乳がんと呼びます。
乳がんの主な症状は下記の通りです。
このような症状を経験した場合、良性の疾患の可能性もありますが、自己判断せずに専門医による診断を受けましょう。
乳房内にころころとしたかたまりのように触れるものを「しこり」といいます。
しこりとして触れるものは、乳がん以外にも、乳腺の良性腫瘍、乳腺症、皮下脂肪の塊、皮膚の腫瘤や腫瘍などがあります。
乳がんと一部の良性腫瘍以外は基本的に治療をする必要はありませんが、しこりが良性なのか悪性なのかは触っただけでは判断できないため、専門医による診断を受けましょう。
乳がんは初期には自覚症状がないことが多いため、定期的なセルフチェックや医療機関での検診が重要です。
特に、親族や家族に乳がん患者が多い場合、他の人よりも乳がんを発症するリスクが高いと言われているため注意が必要です。
自分の乳房に対して日常的に関心を持ち、乳房を意識して生活することをブレスト・アウェアネスといいます。ブレスト・アウェアネスは乳がんの早期発見につながる、女性にとって重要な生活習慣です。下記の項目を実践し、ブレスト・アウェアネスを意識した生活を心がけましょう。
セルフチェックのやり方:乳房やわきの下を、手のひらをすべらせながら大きく「の」の字を描くように触り、しこりがないか調べます。
特に乳房の外側上部が乳がんの好発部位と言われていますが、乳房全体をまんべんなく入念にチェックしましょう。
乳がん検診は、乳がんによる死亡率を低減させることを目的として実施されます。
乳がんの好発年齢は45-49歳と60-64歳であり、40歳以上の女性は、対策型乳がん検診(住民健診)という、税金(一部自己負担あり)による公共的な医療サービスでマンモグラフィを受けることができます。その他にも、30歳代から乳がんに罹る方は増えてきておりますので、任意型乳がん検診(人間ドック、職域検診等)を活用し、マンモグラフィや超音波検査(エコー)を受けるとよいでしょう。
※超音波検査(エコー):
乳房に超音波をあて、乳房内にしこりがあるか等を調べる検査です。
※マンモグラフィ:
乳房のX線検査です。乳房を薄い板で挟み、押し広げながら撮影します。
独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター
副院長 がん治療センター長
木下貴之 先生
国立がん研究センター がん情報サービス
日本医師会
患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版