HR(人事)マネジャー
PRIDE Japan 創設メンバー
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社員ストーリー
LGBTQ+ に対する理解を深める従業員グループ「PRIDE Japan」発足のきっかけ、取り組みそして今後について
性的マイノリティを個性の1つと捉え、誰もが活躍できる職場環境づくりを目指す PRIDE Japan。発足からわずか1年で、PRIDE指標「ゴールド」の取得に導いたキーパーソン2人に、これまでの活動や今後の目標などについて聞きました。
髙木さん
HR(人事)マネジャー
PRIDE Japan 創設メンバー
綿貫さん
Healthcare Economics and Government Affairs ダイレクター
PRIDE Japan 初期メンバー
PRIDE Network は LGBTQ+ に対する理解を深める従業員リソースグループ (ERG) です。1994年にアメリカで発足し、日本では2023年11月に設立されました。私にとって LGBTQ+ は以前から身近なもので、個性の1つと捉えていたので、日本法人でも設立の動きがあると知り、ぜひ携わりたいと思いました。
発足に当たり最初に取り組んだのが、日本のリーダー向けの講演会でした。LGBTQ+ への正しい理解を深めるため、私たちは社外から当事者を招聘し、直接その声に触れる特別な機会を設けました。その場で語られたリアルな体験や想いに、多くの参加者が胸を打たれ、大きな反響を呼びました。
この講演会は性的マイノリティに対する世間の誤解や偏見に気づく大きな契機となり、活動への機運が高まりました。
社内で初期メンバーの募集をかけたところ、コアメンバーは4人から15人に増加。PRIDE Japan の正式発足に向け、コミュニケーション、イベント、エデュケーション、ポリシーの4つのグループに分かれて本格的に始動しました。LGBTQ+ への理解向上を目指し、社内イントラネットの構築、啓発活動や社内イベント開催、制度整備など、各チームがスピード感を持って取り組みました。
PRIDE Japan 発足後、初の全社員向けイベントでは LGBTQ+ の基礎を専門家から学び、当事者から直接話を伺うセミナーを開催しました。300人を超える社員が会場とオンラインで参加するなど、関心の高さを実感できました。
PRIDE Japan では社内制度の整備も進めています。同性・異性を問わずパートナーを法律上の配偶者と同等に扱い、社内の全ての制度がパートナーにも適用される「PRIDE パートナーシップ制度」を導入した他、LGBTQ+ の外部専門家に匿名で悩みを相談できる専門窓口も新設しました。
24年夏には社員の家族が集まる「ファミリーデー」で、LGBTQ+ について知ってもらうコーナーを設けました。子どもは考え方が柔軟で、抵抗感なく受け入れてくれ、保護者の方からも「LGBTQ+ について正しく知る機会を得られて良かった」といった意見が寄せられ、励みになりました。
こうした取り組みが認められ、LGBTQ+ など性的マイノリティへの職場の取組みを評価する指標「PRIDE指標」における「ゴールド」を、活動開始から約1年で取得することができました。
実は、当初ブロンズを目指していましたが、PRIDE指標をガイドラインとして活用し、足りない部分を改善できないかとメンバーと議論を重ねるうちに、当事者が働きやすい職場の要件が具体的に見えてきました。最高位である「ゴールド」を取得できたのは、最初は手探りだったメンバーが、熱意を持って活動を続けた結果と捉えています。
この1年で「PRIDE」という言葉が、社内で浸透した点も大きな収穫です。一方、支えたくても、何をすればいいか分からない人が多いという課題を踏まえ、「自分はLGBTQ+ を理解し支援する Ally(アライ)である」と意思表示できるステッカーを制作しました。カフェエリアや地方の営業所などで配布したところ、今ではパソコンやノートに貼り「多様性を支援する印」として広く活用され始めています。
リーダー向けの講演会に参加して、当事者が LGTBQ+ であることを隠し続ける苦悩を知り、企業の一員として、また個人的にも強い問題意識を持ちました。中高生ら若年層も同様の悩みを抱えていると聞き、「自分も何か協力したい」という思いで、PRIDE Japan のコアメンバー入りを志願しました。
現在は PRIDE Japan エデュケーションチームのリーダーとして、社員向けの啓発活動に注力しています。具体的には、LGBTQ+ に関心を持ち、自分ごととして捉えてもらうために、LGBTQ+ について正しい理解を促す動画を全社員に観てもらいました。基本的な内容がメインですが、10人に1人は性的マイノリティで、左利きやAB型の人の割合とほぼ同じと知り、驚く社員は多かったです。
そうした知識を土台に、当事者の社員が働きやすい職場作りを目的として、具体事例についてディスカッションするトレーニングを部門別に展開しています。今後も正しい知識を広めつつ、より深い理解を得られるこの実践的なトレーニングを、できるだけ早く全部門で実施することが短期的な目標です。
長期的には、社内活動のみならず、医療機器メーカーのリーディングカンパニーとして、医療機器業界、さらにはヘルスケア業界との連携も視野に、協業を進めていく覚悟です。一筋縄ではいかないことは承知していますが、できることから前に進めることが重要と捉え、まずは小さな協業を外部団体と始めています。
“結果”が求められる企業にとって、多様性を認め合い、活かし合える企業文化の醸成は急務です。LGTBQ+ に限らず、誰もが働きやすい職場環境を作り、自分の得意分野を最大限に生かして業務に貢献するという営利企業の視点でも、PRIDE の活動は非常に意味があります。
今後もアカデミアや他業種とのコラボレーションに取り組み、そこで得た知識や情報を社内に還元し、より良い職場環境を目指します。企業の枠を超えて、共感できる仲間を増やしながら、社会にポジティブな変化を生み出せるよう、メンバー一丸となって活動を進めていきます。
どのような背景を持つ社員でも公平に扱われ、互いを理解し、支え合うことが企業にとっていかに大切か。PRIDE Japan の活動を通して、社内で理解が広がっている点は嬉しい変化です。正しく理解することで偏見がなくなり、人は優しくなれます。
しかし、私たちの真のゴールはこうした活動の必要性がなくなること、ありのままの自分が受け入れられる社会の実現に他なりません。この目標に到達できるよう、今後も地道に活動を続けていきます。
PRIDE Network とは
LGBTQ+ の社員及びその家族とつながりを築き、地位を向上し、サポートすること、そして全員が自分らしさを存分に発揮し、メドトロニックのミッションに対し目に見える形で貢献できるよう、インクルージョンとアクセプタンスの文化を醸成することをビジョンに掲げています。
※掲載記事の内容は、取材当時のものです。