Peripheral Vascular Health(PVH)
Senior Strategic Sales and Field Marketing Manager
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インクルージョン、ダイバーシティ、エクイティ
相互理解を促進し、課題解決にも一役
日本メドトロニックが全社を挙げて取り組む「Respect in the Workplace」(以下、RIWP)。3つの異なるビジネスで構成するPVH事業部は社員間の意思疎通に課題を抱えていましたが、この活動を通して互いを尊重し、理解しようとする変化の兆しが表れ始めています。リスペクトの精神が浸透するきっかけとなった具体的なアクションについて、キーパーソンの2人に聞きました。
加藤 創
(かとう はじめ)
Peripheral Vascular Health(PVH)
Senior Strategic Sales and Field Marketing Manager
近藤 裕子
(こんどう ひろこ)
Peripheral Vascular Health(PVH)
Sales Representative
RIWPワーキンググループメンバー
加藤:PVHは3つの独立したビジネスから成る事業部です。コロナ禍以降、変遷を繰り返してできた組織という特殊な事情から、社員間の相互交流は限られていました。さらに、総勢約60人ということもあって、RIWPの活動を始める以前から、従業員のエンゲージメントをいかに向上させるかという課題がありました。
近藤:私はコロナ禍の入社だったので、社員が毎日職場で顔を合わせて働くような環境ではありませんでした。他のグループはもちろん、同じ営業職でも担当エリアが異なると、名前は知っていても、顔がわからない人がたくさんいました。ですので、気軽に質問もできず、緊張感がある雰囲気でした。
加藤:年2回行われる従業員の満足度を調べる社内調査でも、PVHはすべての項目でグローバル目標を下回っていました。RIWPの活動を始めるに当たり、上長から推進委員に任命され、社内調査のスコアの改善も目指して取り組むことになったのです。共に活動してくれるワーキンググループのメンバーを募集したところ、近藤さんをはじめ合計9人が自ら手を挙げてくれました。当初は2~3人集まればいい方だと思っていたので、素直にうれしかったですし、心強かったです。
近藤:私は入社4~-5年目で、ちょうどステップアップを意識し始めた時期でした。そうしたタイミングで、推進メンバーの募集があると知り「すべての社員が働きやすい環境が作れたら」という思いで立候補しました。中堅となった自分が上と下の人たちをつなぎ、コミュニケーションの壁をなくす架け橋になりたいと思ったのです。
加藤:メンバーが揃い、まず着手したのが、社内調査の結果をさらに掘り下げたPVH 独自のアンケート作りでした。「Inclusion-受容」「Innovation-革新」「Ethics-倫理」「Enablement-支援」の4つに焦点を当て、よりスコアの低いボトム10個の質問項目を抽出し、社員の本音を引き出そうと考えました。その結果、「キャリアに関係なく、誰に対しても意見が言える場を作ってほしい」と希望する意見が、半数以上に上ることが分かったのです。また、「反対意見や異なる考えを自由に言えるか」という質問に対し、4割が「いいえ」と回答するなど、社員間のコミュニケーションの課題が改めて浮き彫りになりました。
近藤:このアンケート結果を共有・分析して、改善に向けたアイデアを出し合い、最終的に9つのアクションプランを策定しました。特に改善の希望の多かった「コミュニケーション」「(会議など)時間の使い方」「マニュアルの簡素化・整理」「新しいことへのチャレンジ」などは、9人のメンバーが中心となって、事業部内への情報共有、定期的な情報発信に力を注ぎました。初めての取り組みということもあり、まずは「参加してみよう」と思ってもらえる企画内容と、仕事を圧迫しないバランスについて、メンバー間で知恵を絞る日々でした。
加藤:中心メンバーも仕事を抱えながらの活動ですから、仕事と活動のバランスをどう取るかは、リーダーとして常に意識していました。事業部全員が参加しやすい雰囲気を作るという課題については、近藤さんらメンバーに全面に立って進めてもらい、何か困ったらサポートできるように見守りながら、チーム一丸となって進めてきました。
加藤:ありがたいことに、社内調査スコアにも変化が見られ、本格的にアクションを起こした25年度は、ピックアップした10項目ほぼすべてにおいて、活動前よりスコアがアップしました。この結果は、RIWPの取り組みに必要性を感じて、自分事として捉え始めている一つの指標だと、ポジティブに受け止めています。今後もアクションを続けていけば、一層の改善も期待できるという希望が湧いてきました。
近藤:ワーキンググループとは別に、有志によるグループ活動も始まりました。9名の新メンバーが加わったことで、新たな視点が生まれています。業界経験の長い新メンバーからは、過去の実体験を基にした貴重な話が聞け、今の時代や事業部に合った施策につながるヒントをもらっています。
加藤:組織内でリスペクトの理解が進む鍵となったのが、互いを知ることでした。2025年7月、PVH事業部に所属する全員が一堂に会するキックオフミーティングで、3つのビジネスの仕事内容や取り扱い製品について、約1時間かけて紹介する機会を作りました。その際、「各ビジネスの特徴を捉えた動画があれば、分かりやすいだろう」と、メンバーが自主的にショート動画を制作してくれたことに、私は感動しました。
近藤:実は、以前も同様の機会があったのですが、録画データとしては残っていませんでした。メンバーと「今後も使える素材を残しておいた方がいいよね」と相談して、自主的に動画を作ることにしました。
加藤:この勉強会は実施後のアンケートでも満足度が高く、直接顔を合わせる場で実施ができたことや特徴を分かりやすくまとめた動画の力が、とても大きかったと思います。
加藤:今年度から新たにスタートした試みの一つが、年齢や性別、立場を超えた、より円滑なコミュニケーションの推進です。マネージャークラスから若手まで幅広くヒアリングをして課題を洗い出し、課題解決のために行った実践や工夫、チャレンジに関するディスカッション動画を、事業部内に配信する予定です。上司と部下、若手とベテランなど、立場の異なる両方の意見を聞くことで、相互理解が生まれます。動画視聴を通して「自分だったらどうするか」を考えるきっかけになればと思っています。
近藤:こうした組織全体の勉強会に加えて、2025年10月から地域毎に少人数のWEB勉強会を開始しました。互いの仕事をより深く知ることが目的でしたが、「実は同じ医師の担当だった」など、全く接点がないと思っていたビジネスの中にも、実は被る部分があるなど、新しい発見が生まれています。今後は3ビジネス間のコラボなど、業務につながる取り組みに発展させていきたいです。
加藤:一番うれしいのはこうしたアイデアが、メンバーから自主的に出てくることです。
近藤:加藤さんは私たちのアイデアを否定することなく、「やってみよう」と言ってくださいます。だからこそ、自由な発想ができるのです。
加藤:一人でできることは限られています。特にリスペクトの文化の浸透をめざす今回の活動は、すぐに結果が出るものではありません。失敗を恐れず「とりあえずやってみよう」という意識のもと、自由にチャレンジしてもらいたいのです。それこそがRIWPにつながると信じています。
加藤:RIWPの活動前と比較して、「コミュニケーションの機会が広がった」と感じる人が確実に増えています。事業部内でRIWPという言葉が自然と出るようになったのも大きな変化です。
近藤:私は営業職でありながら、人と積極的に話すタイプではありませんでした。RIWPの活動を通じて、エリアやビジネスを超えて、いろいろな方と話をさせてもらったことが、自分自身の自信につながっています。メンバーにも恵まれ、この活動に参加してよかったと心から思っています。
加藤:組織のカルチャーは一朝一夕で変わりません。今はまだ道半ばで、興味・関心を持って参加しているメンバーと、遠目で見ている社員の間に温度差があるのも事実です。異なる意見やメンバー以外のアイデアも尊重しながら、その差を埋めていき、全員で成長していきたいですね。
近藤:RIWPが目指す理想形は、意識せずとも互いをリスペクトして、認め合うことです。その目標に少しでも近づけるよう、相互信頼の環境づくりに貢献できる企画をどんどん考えていきたいです。「こんなことをしてみたい」というアイデアは大歓迎ですし、仲間がさらに増えることを楽しみにしています。
加藤:組織に属するすべての人が互いをリスペクトし合い、認め合うことで、各自が能力を存分に発揮することが、組織の強化につながる。私自身はそういう想いでこの活動に取り組んでいます。RIWPの浸透が自分自身の成長や組織、会社全体の成功にもつながると、より実感してもらえるように、今後もメンバーとともに活動を続けていきます。
組織の一人ひとりが主体的に考え、全員で取り組む。その継続がリスペクトの文化をつくり、働き甲斐のある組織になると信じています。
RIWPとは
すべての従業員がお互いに敬意・尊重・理解をもって接し、認め合うことで、能力を存分に発揮し、会社と共に成長する企業文化づくりを目標に掲げて、2023年度から始まった日本法人発の新たな取り組み。
※掲載記事の内容は、取材当時のものです。